「先輩ー!志保先輩ー!起きてくださいよー今日から学校ですよー」
ここは大学の学生寮。
「うーっるさいなー!今日は新入生の入学式でしょ?だったら三年生の私は今日休みじゃない。」
布団からまゆ毛のないのっぺらぼうのようなモノが出てくる。
コレは秋本志保さん。ちゃんとした人間である。この春から、寮で私と一緒に生活してる先輩だ。金髪だったり茶髪だったり、よく髪の色が変わる。今どきの人って感じ。ちなみに文学部に所属しているらしい。あとお酒が大好き。
「あれ、そうでしたっけ。すいません」
「もー、昨日飲みすぎで頭痛いんだからあんまり大きい声出さないで。私は寝る。さっさと入学して来い。」
そういうと、先輩はまた布団の中へ溶けるように潜って行った。
「はい!では高田美咲!さっさと入学してきちゃいます!」
そう言って私は寮を出た。出る直前、「だから大きい声を出すなって・・・」と先輩の蚊のような声が聞こえた気がするが、そんなものは気にしない。
今日から私は晴れて大学生なのだ!
思えば去年は大変だった。
先のことなど何も考えず遊びほうけていた私は、夏休みが終わった後のクラスの雰囲気の変わりようについていけず、結局勉強に本腰を入れたのはクリスマスが終わってからだった。
センター試験も大コケだったのに、よく大学に進学できたと思う。それもこれも友人や先生のおかげだ。本当に頭が上がらない。
大学までは寮から歩いて約十分。これから毎日通ることになる通路。一歩ずつ踏みしめながら進む。
大学についた。
入学式はほとんど寝てた。実は昨晩、緊張でほとんど寝つけなかったのだ。
いや、緊張だけではない。先輩のせいだ。あの人私が寝てる横でいつまでも酒飲んでテレビ見てひとりで騒がしかったんだもの。あんな中眠れるわけないじゃない。
式が終わり、学部ごとの説明会が終わると、待ち構えてたようにサークルの勧誘のチラシを大量に受け取った。
後々確認してみたら同じサークルのチラシを何枚も持ってた。スポーツチャンバラのチラシなんて六枚もある。スポーツチャンバラだと。
「疲れたーだいまー」
一通りの行事が終わり、家に帰ってきた。先輩はまだ布団の中にいるみたいだ。
「なに、もう帰ってきたの?」
布団の中から先輩が消え入りそうな声で聞いてくる。どうやら今起きたらしい。
「もうって、私がここ出てからもう六時間くらいたってますよ!先輩ずっと寝てたんですか?」
「だからあんまり大きい声出さないでってば・・・頭に響くんだって、あんたの声は・・・」
先輩が布団から顔を出し、こっちを睨みながら言ってくる。まゆ毛がないとなかなか怖いものがある
鬱陶しそうな表情の先輩を気にせず、着替えを済ませた私は先ほど受け取ったサークルのチラシを広げる。
大学生活の醍醐味といえばサークルだと私は思っている。何にしようかな。どれも魅力ある。
「そういえば、先輩ってサークル何かしてるんですかー?」
ふと気になり、先輩に聞いてみる。流石にもう睨んでないようだ。
「サークルなんてあんた、私が入るわけないでしょうに。かったるい。家で酒飲んでる方が楽しいわよ」
だるそうに答える。まあ予想していた答えである。
「私は何かに入りたいなー。せっかく大学生になったんだし、新しいことはじめたいかな」
「新しいことねー」
先輩がこちらを覗きこんでくる。
「これなんていいじゃない。スポーツチャンバラ。チラシだって六枚もあるじゃない。これはもう神があんたに入れって言ってるのよ。」
げらげらと笑いながら言ってくる。珍しく一緒に考えてくれるのかと思ったが、そんなことはなく、素直に邪魔くさいと感じた。
「スポチャンは興味持たないです」
きっぱりと吐き捨てる。
「新しいと思うんだけどなー」
「何かないかなー」
にやにや茶化してくる先輩を無視し、ほかには何かないか探す。
「ん?」
大量のチラシの中に、よくわからないモノの絵とともに「軽音・フリーミュージック」と書いてあるチラシを見つける。
「軽音部かー!いいなー!」
実は小さいころから楽器をしてみたいと考えてた。音楽も大好きで、いつもiPodにお気に入りの音楽を入れてを持ち歩いている。
「えー美咲ちゃんけいおんするのー?うんたんうんたんー?」
先輩は無視。でも軽音部か。初心者大歓迎!って大きく書いてるしいいよね別に初心者でも。
うん!軽音部!いいじゃん!
ここは大学の学生寮。
「うーっるさいなー!今日は新入生の入学式でしょ?だったら三年生の私は今日休みじゃない。」
布団からまゆ毛のないのっぺらぼうのようなモノが出てくる。
コレは秋本志保さん。ちゃんとした人間である。この春から、寮で私と一緒に生活してる先輩だ。金髪だったり茶髪だったり、よく髪の色が変わる。今どきの人って感じ。ちなみに文学部に所属しているらしい。あとお酒が大好き。
「あれ、そうでしたっけ。すいません」
「もー、昨日飲みすぎで頭痛いんだからあんまり大きい声出さないで。私は寝る。さっさと入学して来い。」
そういうと、先輩はまた布団の中へ溶けるように潜って行った。
「はい!では高田美咲!さっさと入学してきちゃいます!」
そう言って私は寮を出た。出る直前、「だから大きい声を出すなって・・・」と先輩の蚊のような声が聞こえた気がするが、そんなものは気にしない。
今日から私は晴れて大学生なのだ!
思えば去年は大変だった。
先のことなど何も考えず遊びほうけていた私は、夏休みが終わった後のクラスの雰囲気の変わりようについていけず、結局勉強に本腰を入れたのはクリスマスが終わってからだった。
センター試験も大コケだったのに、よく大学に進学できたと思う。それもこれも友人や先生のおかげだ。本当に頭が上がらない。
大学までは寮から歩いて約十分。これから毎日通ることになる通路。一歩ずつ踏みしめながら進む。
大学についた。
入学式はほとんど寝てた。実は昨晩、緊張でほとんど寝つけなかったのだ。
いや、緊張だけではない。先輩のせいだ。あの人私が寝てる横でいつまでも酒飲んでテレビ見てひとりで騒がしかったんだもの。あんな中眠れるわけないじゃない。
式が終わり、学部ごとの説明会が終わると、待ち構えてたようにサークルの勧誘のチラシを大量に受け取った。
後々確認してみたら同じサークルのチラシを何枚も持ってた。スポーツチャンバラのチラシなんて六枚もある。スポーツチャンバラだと。
「疲れたーだいまー」
一通りの行事が終わり、家に帰ってきた。先輩はまだ布団の中にいるみたいだ。
「なに、もう帰ってきたの?」
布団の中から先輩が消え入りそうな声で聞いてくる。どうやら今起きたらしい。
「もうって、私がここ出てからもう六時間くらいたってますよ!先輩ずっと寝てたんですか?」
「だからあんまり大きい声出さないでってば・・・頭に響くんだって、あんたの声は・・・」
先輩が布団から顔を出し、こっちを睨みながら言ってくる。まゆ毛がないとなかなか怖いものがある
鬱陶しそうな表情の先輩を気にせず、着替えを済ませた私は先ほど受け取ったサークルのチラシを広げる。
大学生活の醍醐味といえばサークルだと私は思っている。何にしようかな。どれも魅力ある。
「そういえば、先輩ってサークル何かしてるんですかー?」
ふと気になり、先輩に聞いてみる。流石にもう睨んでないようだ。
「サークルなんてあんた、私が入るわけないでしょうに。かったるい。家で酒飲んでる方が楽しいわよ」
だるそうに答える。まあ予想していた答えである。
「私は何かに入りたいなー。せっかく大学生になったんだし、新しいことはじめたいかな」
「新しいことねー」
先輩がこちらを覗きこんでくる。
「これなんていいじゃない。スポーツチャンバラ。チラシだって六枚もあるじゃない。これはもう神があんたに入れって言ってるのよ。」
げらげらと笑いながら言ってくる。珍しく一緒に考えてくれるのかと思ったが、そんなことはなく、素直に邪魔くさいと感じた。
「スポチャンは興味持たないです」
きっぱりと吐き捨てる。
「新しいと思うんだけどなー」
「何かないかなー」
にやにや茶化してくる先輩を無視し、ほかには何かないか探す。
「ん?」
大量のチラシの中に、よくわからないモノの絵とともに「軽音・フリーミュージック」と書いてあるチラシを見つける。
「軽音部かー!いいなー!」
実は小さいころから楽器をしてみたいと考えてた。音楽も大好きで、いつもiPodにお気に入りの音楽を入れてを持ち歩いている。
「えー美咲ちゃんけいおんするのー?うんたんうんたんー?」
先輩は無視。でも軽音部か。初心者大歓迎!って大きく書いてるしいいよね別に初心者でも。
うん!軽音部!いいじゃん!
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